症例case

【犬】の肝臓がん|肝臓は沈黙の臓器と呼ばれている?

犬の肝臓がんとは?

タイトルにも書きましたが、「肝臓は沈黙の臓器」と呼ばれています。

肝臓にがんが発生しても、ある程度進行してからでないと症状が出にくいため、

発見時にはがんの大きさがかなり成長してるケースも多々あります。

初期症状に気付きにくいため、早期発見が極めて困難であると言われています。

肝臓がんは、ほとんどの場合が高齢犬で発症する病気なので体への負担が大きくなってきます。

高齢で発症する病気だからこそ、少しでも負担を減らすために早期発見がカギになってきます。

症状について【当てはまったら動物病院へ】

肝臓がんの症状は「一般的な症状」と「特徴的な症状」があります。

■一般的な症状は以下4つ

【症状その1】
食欲不振
肝臓がんの影響により、犬は食事を摂ることに興味を示さなくなり
だんだんと体重の減少が見られるようになり、体力低下に繋がります。
【症状その2】
嘔吐と下痢
肝臓がんが進行すると、消化機能が低下し、嘔吐や下痢が発生することがあります。
その影響で便の匂いがきつく、頻繁に悪臭がするようになります。
【症状その3】
腹部のふくらみ
肝臓がんが進むと、腹水(お腹の内部に水がたまった状態)が大きくなり、腹部が膨張することがあります。
これにより腹部がふくらみ、触ると硬く感じることがあります。
【症状その4】
黄疸(おうだん)
肝臓がんが進行すると、黄疸と言われる症状が現れます。
黄疸とは、皮膚や白目が黄色くなる症状のことです。
肝臓の機能障害により、胆汁(肝臓で作られる消化液)が正常に排出されなくなるためです。

■特徴的な症状は以下2つ

【症状その1】
発作や異常行動
肝臓がんが進行すると、神経系にも影響を与え、発作や異常行動が見られることがあります。
【症状その2】
脱毛や皮膚の変化
肝臓の機能が低下すると、皮膚に変化が起こることがあり、
脱毛や皮膚の色素沈着(皮膚の一部の色が濃くなる現象)が見られることがあります。

肝臓がんは進行が早いことがあり、症状が現れた時点で初期の診断と治療が重要です。

症状が見られる場合は、速やかに動物病院を受診することをおすすめいたします。

【犬】の肝臓がんの症例をご紹介

下記画像が肝臓がんの摘出手術の様子です。

⇐左画像は摘出後の肝臓がんです。

中央部分が大きく膨れてることが分かります。

犬の肝臓がんのまとめ 


口腔内悪性メラノーマについて症状と特徴を簡単にまとめておくと、

  • 「肝臓は沈黙の臓器」と呼ばれるほど症状が出にくく気付きにくい
  • 高齢犬で発生するケースが多い
  • 食欲不振による体力の低下
  • 消化機能低下による嘔吐と下痢
  • 皮膚や白目が黄色くなる(黄疸)
  • 発作や異常行動
  • 脱毛や皮膚の一部の色が濃くなる症状   などがあげられます。

肝臓がんがかなりの大きさにまで進行していても

犬自体は元気で、食欲不振などの明確な症状がみられないことが多く、

気付いた時点ではかなりの大きさにまで成長してしまっているケースが多いのが現状です。

愛犬への負担を最小限にまで抑えるためにも早期発見・早期治療が必要になってきます。

日頃からしっかりスキンシップをしていても、

気づかぬうちに進行していた・・・なんてケースも少なくありません。