歯科特別外来dentistry

歯科特別外来

犬・猫の歯科特別外来

3歳以上の犬の80%以上、

猫の70%以上が何らかの歯周病を

患っていることを知っていますか?

当院では歯科特別外来にて、歯科診療に力を入れている山本先生を毎週木曜日にお招きしております。多数の病院様で歯科診療を担当しており、優れた技術と高い経験値から、多くのわんちゃん・猫ちゃんの歯を治療しております。

また、都内でも導入件数の少ない歯科レントゲンを導入しているため、正確な診断が可能です。

■犬猫の歯周病とは?

3歳以上の犬の80%以上、猫の70%以上が歯周病と言われていることをご存じですか?歯周病がある程度進行してしまうと、歯を抜かなければならなくなってしまうことや、腎臓や心臓などの全身疾患の原因になることが分かっています。歯の健康が長生きの秘訣と言われていますので、定期的な歯科検診や歯石除去をおすすめします。

歯周病による局所的な症状歯周病による全身的な症状
・お口が臭い
・歯垢が付いている
・お口を触られることを嫌がる、痛がる
・歯から血が出ている
・歯肉が赤く腫れている
・歯がぐらぐらしている
・肺炎
・心臓病
・心内膜炎
・糖尿病
・糸球体腎炎

■愛犬・愛猫のお口の状態をチェックしてみましょう

お口の状態によってデンタルケアは変わってきます。キレイな口腔内であれば、歯磨き等のホームケアをしましょう。

下記画像は歯周病のステージ分類で、「ステージ2~ステージ4」の場合は、歯茎の溝(歯肉溝)の中の歯垢(プラーク)+歯石をしっかりと除去する必要があるため、麻酔下での歯石除去を推奨しています。

※青線:正常な歯肉の位置/赤線:異常な歯肉の位置

■犬猫のために歯科治療専用の設備を導入しています

・超音波スケーラー

歯の表面だけでなく歯肉縁下の歯石、歯垢、プラークをしっかり除去できます。本来、スケーラーの強弱を調整しながら歯石除去を行うことはとても難しいですが、特別外来の山本先生であれば、高い技術と経験値によって使いこなすことが可能です。

・歯科レントゲン

目に見えないだけで、歯周ポケットの内側に隠れた歯石や歯垢がこびりついています。パッと見では判断できない内部の汚れを歯科レントゲンな らはっきり見ることが可能になります。「うちの子は大丈夫でしょ」と油断はできず、実は歯を支えている骨が溶けていたなんてこともあります。治療前にしっかりと検査をすることで、性格かつ適切な判断が可能です。

・拡大鏡

拡大鏡を使用しております。肉眼では見えない細部まで見ることができるため、感覚や勘で行う治療ではなく、正確で的確な治療が可能になります。拡大鏡は頭に装着する軽い機械なので、頭を動かすことでどんな箇所でもすぐに拡大でき、正面・側面と視野を変えることで立体的に確認することができます。

■治療の流れ(超音波スケーリング)

当院では全身麻酔をかけて「超音波スケーリング」を行います。

超音波スケーリングとは、歯の表面だけでなく歯肉縁下の歯石、歯垢、プラークをしっかり除去することで歯周病の治療を行うことです。症状が進んでしまった場合は抜歯を行います。場合によりハンドスケーリング゙という無麻酔スケーリングを用いています。口腔内の状態を考慮しながら、飼い主様とご相談して最適な方法をお選びし、ケアを行っています。

口腔内チェック

わんちゃん・猫ちゃん歯石の沈着具合、歯や歯肉の状態を確認します。

術前検査

身体検査、血液検査などを行い、身体全体の状態を把握します。

麻酔下での口腔内検査(歯科レントゲン)

麻酔前投薬を開始し、気道の確保、吸入麻酔を行い、心電図などのモニター管理をします。
歯科レントゲンを撮影し、歯と歯槽骨など歯周組織の状態を確認することで適切かつ正確な診断が可能になります。
歯周プローブによる歯周ポケットの深さの測定、歯の動揺、歯根の露出等がないか確認した後、具体的な歯科処置の内容を決定します。

麻酔下での歯科処置

超音波スケーラーによる歯石除去を行い、歯周ポケットの歯石や歯垢を掻爬します。
抜歯の必要な場合は、周辺組織への侵襲を最小限にして抜歯します。
処置後に歯石が再付着しにくくするために、歯の表面を研磨してツルツルにします。

お返し

当日中にお迎えにきていただき、その際に歯科処置のご説明を行います。

■歯科特別外来の先生をご紹介

歯科特別外来担当医

出身校日本獣医生命科学大学

<資格>
VSJ COLLEGE 歯科basic course修了
VSJ COLLEGE 腫瘍学Basic course修了
日本小動物歯科研究会認定レベル1講義・実習修了
日本小動物歯科研究会認定レベル2講義・実習修了
日本小動物歯科研究会認定レベル3講義・実習修了
日本小動物歯科研究会認定レベル4講義・実習修了

<経歴>
2012年 日本獣医生命科学大学卒業 (臨床病理学研究室所属)
2012年~ 横浜市内の動物病院 勤務
2015年~ 日本獣医生命科学大学医療センター 腫瘍内科研修生
2017年~ 都内動物病院 勤務(副院長)
2020年〜 都内動物病院 勤務(副院長)
2024年~ 個人として複数の動物病院で一般診療・歯科診療に携わる

<一言>
動物の医者目線だけでなく、歯医者目線でも的確な治療やアドバイスをしてサポートしていきたいと思います。歯の健康は長寿の秘訣と言われているほど、歯を大切にすることは愛犬、愛猫ちゃんのために重要になってきます。些細なことでもお気軽にご相談ください。

■実際の症例

ここから先は実際の症例になります。リアルな画像を貼っておりますので、苦手な方はご遠慮ください。

・歯石除去

超音波スケーラーによる歯石除去を行い、歯周ポケットの歯石や歯垢をきれいにしました。

症例1.

症例2.

・埋伏歯(まいふくし)

埋伏歯とは、歯が生えてくるスペースがなかったり、歯が異常な位置にあることで、歯肉の中に歯が埋もれていることを言います。

含歯性嚢胞になる可能性が高く、チワワ、パグ、フレンチブルドッグなどの短頭種やトイ種に多く見られます。

埋もれて見えなかった歯を丁寧に抜歯しました。

・吸収病巣(きゅうしゅうびょうそう)

歯のエナメル質や象牙質(ぞうげしつ)が徐々に破壊され、

吸収させる病態のことで、歯の構造が脆く弱くなり、歯が折れたり抜けたりします。

原因ははっきりわかっておらず、遺伝や免疫の関与、口腔内の慢性的な炎症により促進すると考えられています。

既に歯が脆くなっていたため、抜歯し、縫合をしました。

・口腔鼻腔瘻(こうくうびくうろう)

歯口腔(口の中)と鼻腔(鼻の中)がつながってしまう病気です。重度の歯周病や外傷などが原因で引き起ります。

症例の「吸収病巣」や「口腔鼻腔瘻」など、重度の症状の場合は抜歯を余儀なくされます。

そうなる前に定期的なスケーリングで歯の健康を維持することをおすすめいたします。