超音波スケーリング
超音波スケーリングって何?
歯石が付いてしまったら、歯周病の進行を防ぐために、麻酔下の超音波スケーリングで歯石を除去してあげましょう。歯の表面だけでなく歯肉縁下の歯石、歯垢、プラークをしっかり除去することで歯周病の治療を行います。症状が進んでしまった場合は抜歯を行います。
歯周病が進行してから来院されるケースも多く、手術時間が長くなり麻酔リスクが高まったり、顎の骨が溶けてしまっていたり、全抜歯を余儀なくされるケースもあります。そうならないためにも定期的なデンタルケアと、歯周病が軽度なうちからのスケーリングをオススメしています。

超音波スケーリングの流れ
口腔内チェック
歯石の沈着具合、歯や歯肉の状態を確認します。
術前検査
身体検査、血液検査、レントゲン検査などを行い、身体全体の状態を把握します。
術前準備
留置針による血管の確保を行い、点滴を開始します。
麻酔下での口腔内検査
麻酔前投薬を開始し、気道の確保、吸入麻酔を行い、心電図などのモニター管理をします。
歯科X線を撮影し、歯と歯槽骨など歯周組織の状態を確認します。
歯周プローブによる歯周ポケットの深さの測定、歯の動揺、歯根の露出等がないか確認します。
その後、具体的な歯科処置の内容を決定します。
麻酔下での歯科処置
超音波スケーラーによる歯石除去を行い、歯周ポケットの歯石や歯垢を掻爬します。
抜歯の必要な場合は、周辺組織への侵襲を最小限にして抜歯します。
処置後に歯石が再付着しにくくするために、歯の表面を研磨してツルツルにします。
お返し
当日中にお迎えにきていただき、その際に歯科処置のご説明を行います。
無麻酔の歯石除去
(ハンドスケーリング)
ハンドスケーリングって何?
「無麻酔歯石除去」というのは、全身麻酔を使用せず、無麻酔で主にハンドスケーリングにより歯石除去を行なう方法です。お口の中にお水が入っても嫌がらないワンちゃんの場合には、超音波スケーリングも併用して歯石除去を行なうこともあります。
料金 | ¥1,500〜¥3,000 |
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無麻酔で歯石除去を行うと、麻酔によるワンちゃんへの身体の負担を考える必要がなくなるため、毎年歯石除去が行えるメリットがあります。但し、ハンドスケーリングでは歯周ポケットはキレイになりません。そのため、定期的な麻酔下スケーリング、デンタルケアを行ってください。
こんな場合はハンドスケーリングを
- うちの子は高齢なので麻酔をかけたくない
- 去年、麻酔下の歯石除去をしたので、今年は無麻酔で
- 費用を抑えて歯石除去をしたい
麻酔は少なからずワンちゃんやネコちゃんの身体に負担を与えます。特に定期的に歯石除去を行いたい方は、その都度、毎回全身麻酔を行なうのは心配だと考える方が多くいらっしゃいます。そういった方に当院でお勧めしているのが、麻酔を使わず無麻酔で行なう歯石除去です。
無麻酔で超音波スケーラーなどの機械を一切使わないでも、ハンドスケーリングで歯石除去は可能です。驚くほどきれいになります。(但し、表面のみです)ちなみに、当院ではこの無麻酔での歯石除去が一番人気の方法です。しかし、例えば歯周病が進行しているなど、状況によっては無麻酔での歯石除去ではなく、全身麻酔での歯石除去をお勧めする場合もございます。
その他、飼い主様のご意向や動物の性格、心不全の有無など、獣医師が様々な角度から検討し、「無麻酔でのハンドスケーリング」で行なうべきか、「麻酔下の歯石除去」で行うべきか、相談して治療方針を決めております。歯石を放置していると危険です。早めに、定期的に歯石除去をしてあげましょう。まずは一度ご相談ください。