犬の膀胱がんとは?(尿路上皮がん)とは?
膀胱がんの中でも尿路上皮がんは最も犬がかかるがんで、膀胱内の粘膜(移行上皮細胞)から発生する悪性のがんです。
メス犬での発症率が多いと言われています。
また、膀胱炎と近い症状があるため膀胱がんとの区別がつきにくいです。
頻繁におしっこに行くようになった、血尿が見られるなどの症状が続く場合は、
動物病院にて診察を受けていただくことをおすすめいたします。
症状について【当てはまったら動物病院へ】
膀胱がんとは?のところで少し書きましたが、
膀胱炎と膀胱がんの症状は似ている点が何点かあるため飼主様が区別するには難しいと思います。
■膀胱炎の症状
【症状その1】 おしっこの回数が増えた | 以前に増しておしっこの回数が増えたのに、 一回で排尿するおしっこの量が少ないなどの症状が現れるようになります。 また、頻繁に外に出ておしっこをしようとする動作が増え、落ち着きのなさが表れます。 |
【症状その2】 おしっこをするときに痛がる | 排尿時に痛がる素振りやしかめた顔をすることがあります。 また、痛みから排尿をコントロールできず、垂れ流してしまうこともあります。 |
【症状その3】 尿が濃い色をしている | 膀胱炎の場合、尿が濃い色をしていることがあります。 これは血尿ではなく尿道の炎症によるものです。 |
【症状その4】 血尿をすることがある | 血尿はおしっこに血が混じっている状態の事です。 主に膀胱がんでみられる症状ですが膀胱炎でも見られることがあります。 |
■膀胱がんの症状
【症状その1】 おしっこの回数が増えた | 膀胱炎と同様、以前に増しておしっこの回数が増えたのに、 一回で排尿するおしっこの量が少ないなどの症状が現れるようになります。 また、頻繁に外に出ておしっこをしようとする動作が増え、落ち着きのなさが表れます。 |
【症状その2】 血尿が続く | 血尿は膀胱がんの最も一般的な症状で、おしっこに血が混じっている状態の事です。 尿が通常の色からピンク→赤褐色→茶色などの血液が徐々に変わった色合いに変化していきます。 |
【症状その3】 腹部のふくらみ(進行した場合) | 膀胱がんが進行すると、お腹に水がたまり、腹部が膨張することがあります。 |
膀胱炎と膀胱がんは症状が似ているため、飼主様が判断するのは難しいです。
また、膀胱炎と膀胱がんに共通する症状で、体調不良や食欲不振などがあります。
症状が進行するとおしっこの排泄が完全にできなくなり、急性腎不全となってしまいます。
上記のような症状が見られた場合はすぐに動物病院の受診をおすすめいたします。
特徴は?【膀胱がんは悪性のがん】
膀胱がんは悪性のがんです。
その中でも移行上皮がんはリンパ節や肺、骨にまで転移する恐ろしいがんです。
<肺への転移>
膀胱がんの3つの症状に加えて呼吸が苦しいなどの症状も見られます。
<リンパ節への転移>
腰や背骨にがん細胞が付着し、そのまま滲みこむようにして広がることで
膀胱がんの3つの症状に加えて痛みなどの症状が見られるようになります。
【犬】の膀胱がんの症例をご紹介
⇐左画像が膀胱がんの摘出手術の様子です。
早期発見・早期摘出によって
術後も安定して過ごすことが可能となります。
(出典:Medical Ark Inc.)
犬の膀胱がんのまとめ
膀胱がんについて簡単にまとめておくと、
- おしっこの回数が増える
- おしっこの回数が増えたのに量が少ない
- 落ち着きがなくそわそわする様子がみられる
- おしっこに血が混じっている(血尿)
- 何度も血尿をするようになった
- おしっこをするときに顔をしかめたり痛がるようになった
- 以前よりお腹が膨れているように見える
- 膀胱がんは悪性のがんである などがあげられます。
膀胱がんは膀胱炎との区別が難しいため、決して飼主様の方で判断せず、
上記のような症状が見られる場合は動物病院を受診してください。
進行が進むとおしっこの通り道である尿道がつまり、急性腎不全になったり、
がん細胞がリンパ節や肺、骨にまで転移する恐れがあります。
今回取り入れた「わずかな血液でわかるがん検査」をすることで
愛犬の体への負担を減らすとともに、早期発見・早期治療へと繋がります。
「もっと良く見ておけばよかった」「早く病院を受診していれば・・・」
そんな思いが少しでも減るように、
痛みや異変を言葉に出来ない子たちの変化に気づいてあげられるように、
「わずかな血液でわかるがん検査」を受けてみませんか?