尿検査
ネコちゃんは、おしっこのトラブルが多いことをご存知でしょうか?特に秋口から冬にかけての寒い時期は、水をあまり飲まなくなる影響で、尿が濃くなり、特にトラブルが多くなります。特に10歳以上の高齢の猫ちゃん、雄の猫ちゃんによくみられます。症状が出にくいこともあり、気づいた時には進行いていることもあります。定期的に尿検査をすることで目に見えない体の異常をいち早く見つけてあげましょう。
尿検査で分かる病気
PH値 | 尿路結石・細菌感染 など |
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ビリルビン | 肝臓疾患・胆道疾患・黄疸 など |
尿糖 | 糖尿病・急性膵炎・クッシング症候群 など |
潜血 | 膀胱炎・尿道炎・尿路結石・前立腺炎・腎炎 など |
尿たんぱく | 腎臓疾患・尿路異常 など |
尿比重 | 腎臓疾患・尿崩症 など |
採尿(おしっこの採り方)について
飼主様からよくご相談をお受けするのが、採尿(おしっこの採り方)についてです。猫ちゃんは誰かに見られていると緊張しておしっこをしなくなることもあるため、下記の方法をおススメしています。
固まる砂 | おしっこをするタイミングに合わせてスポンジに直接おしっこを吸わせてく ださい。 |
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固まらない砂 | 一番下の給水シートを取り外し、おしっこをしてくれたら、シリンジ(注射器)で吸うか、スポンジに吸い込ませて下さい。 |
ペットシーツ | 裏返しにしておき、おしっこをしてくれたら、シリンジ(注射器)で吸うか、スポンジに吸い込ませて下さい。 |
代表的な尿の病気
尿石症
尿管、膀胱・尿道に石が存在する事により、血尿や膀胱炎の原因となる病気です。遺伝的な体質による影響もございますが、尿路感染や水・フードの成分による原因もあります。猫は元々砂漠に住んでいた動物なので、尿を濃縮して排泄するようにできています。このため、犬に比べてこの病気が多いのです。この病気はオスでもメスでも発生しますが、オスの方が尿道が長くて細いため、尿道閉塞を起こすリスクが高くなります。
尿石症の代表的な症状
- 赤い尿をしたり、血が混じる。(血尿)
- トイレに入っている時間が長い。
- トイレ以外の場所で排尿してしまう。
- トイレに行く回数が多い。(頻尿)
- なかなか尿が出ず、力んでいる。
- 元気や食欲がなく、落ち着かない。など
尿道閉塞症
尿道内に結石や栓子(壊死組織、凝血塊、炎症産物)、尿道の腫瘍が尿道を塞ぐ事によって尿を出せなくなる病気です。ペルシャやヒマラヤンなどの品種が尿石症をよく起こしやすい品種ですが、正確には不明です。尿道が細くて長い雄猫に多い病気で、およそ10歳までは尿石症や尿道栓子が原因の割合が高く、10歳を越えると腫瘍などの原因の割合が増加する傾向です。
尿道閉塞症の代表的な症状
- 排尿動作が多い
- 血尿が出ている
- 排尿時に痛がっている
- 落ち着きがなくなる
- 触られるのを嫌がる
- 陰部をなめる
- 食欲がない
- 嘔吐がある
- 体温の低下がある など
糖尿病
インスリンの欠乏によって起こる病気です。膵臓でつくられるホルモンのインスリンは、身体の細胞が血糖を利用するのに必要なものです。インスリンがないと、糖は血中にとどまるため尿中に糖が漏れ出してきます。
糖尿病の代表的な症状
- 水をたくさん飲むようになった
- 尿の量が増えた
- 体重が減った
- 弱っていたり、元気がない
- 下痢や嘔吐をした
- 呼吸が非常に荒い など