ウイルス検査virus

ウイルス検査

ウイルス検査

ネコちゃんは知らない間に命に関わるウイルスに感染している可能性があります。これらのウイルスは、感染しているかどうかを血液検査で調べることができます。猫ちゃんが感染するウイルスにはいくつかの種類があり、飼育し始めた時には既に感染していることもあります。必要な検査は入手経路にもよって異なりますので、診察時にご相談ください。また、外に出かけられる環境で飼われている場合は定期的に検査することもお勧めしています。

  • 猫免疫不全ウイルス(FIV)
  • 猫白血病ウイルス(Felv)
  • 猫伝染性腹膜炎(FIP)
  • トキソプラズマ

などの感染症を調べることができる検査です。

どんな子に必要?

全員が必要な検査ではありませんが、以下に当てはまる子はしておくと安心です。特にお家にやってきたタイミングでは、感染の有無をしっかりと調べておくことをお勧めしています。

  • 外に遊びに行く子(少しでも)
  • 昔、ノラ猫だった子
  • お母さん猫がノラ猫の子
  • 過去の飼育環境がわからない子
  • 多頭飼いの猫ちゃん達の中に1頭でも上記に当てはまる子がいる場合

検査方法は?

1ml程度の採血をするだけですので、小さな子猫でも安心して検査が可能です。また、採血した血液は、ウイルス検査だけでなく、健康診断としての血液検査も一緒に行う事が出来ます。1回の採血で猫ちゃんの健康状態を多く知る事は、猫ちゃんにとって負担が少なく、より良い生活に効果的ですので、健康診断としての血液検査も合わせる事をオススメしています。

どんな感染症?

免疫不全ウイルス(FIV)

一般的には〝猫エイズ〟と呼ばれている病気です。母子感染はほとんどなく、主に感染猫とのケンカによる咬傷などから感染する病気です。もちろん人間には感染しません。発症すると発熱、下痢、鼻水、口内炎、リンパ腺の腫れなどが見られ、終末期には免疫機能が重度に低下し、感染症や、貧血、悪性腫瘍などにより死に至ります。

猫白血病ウイルス(Felv)

このウイルスは唾液中に多く存在するウイルスです。そのため、Felv陽性の猫と〝仲良し〟の子ほど感染しやすく、グルーミング、食器の共有、尿、涙液、母乳、血液、咬傷などが感染源になります。発症すると、元気がなくなり、発熱、下痢、鼻水、白血病の減少、血小板の減少、貧血、リンパ腫などの症状が出て、死致率の高い病気です。

猫伝染性腹膜炎(FIP)

コロナウイルスが原因となり、腹膜炎や腸炎を起こし、発病してしまうと死亡率が高い病気です。コロナウイルス自体は感染していることは珍しくないウイルスですが、体内で突然変異してFIPウイルスとなります。1頭飼いより多頭飼いの方が感染しやすいことが知られており、特に生後1年以内での発症が多いと言われています。多頭飼いの場合には検査をしておくことをお勧めします。

トキソプラズマ

トキソプラズマという寄生虫が感染する病気です。この病気は人や他の動物にも感染する人獣共通感染症(ズーノーシス)でもあります。健康な人が感染してもほとんど何の症状も出ないので、通常は問題視されることはありません。しかし、妊婦の方は感染すると流産や新生児に影響を与えたりすることがあるため注意が必要です。家族や親族、近隣に妊婦の方がおられる場合には検査をしておくことをお勧めしています。