犬・猫の腫瘍外来
わんちゃん・ねこちゃんの平均寿命が延び、長く一緒に過ごせるようになりましたが、その反面ガンの発症率も高くなってきています。発見が遅くなれば治療が難しくなってしまったり、手遅れになってしまうこともあります。そんなガンを早期発見するために、日ごろからわんちゃんねこちゃんとスキンシップを取り、“腫瘍”にすぐ気付けるようにしましょう。
チェックリスト
- 体重の変化はありませんか?
- 以前と比べて食欲は減っていませんか?
- 元気がなくなっていませんか?
- しこりやできものはありませんか?
- お腹が膨らんでいるように見えますか?
- お腹の調子はどうですか?
どんなしこりだったら病院に行った方がいい?
わんちゃんやねこちゃんとスキンシップを取っているときに、以前まではなかったはずのしこりやできものを発見してしまった・・・そんな時「ガン」を疑ってしまうかと思います。しこり(腫瘤)は見た目だけでは「良性」か「悪性」か判断できません。見つけたときはすぐに病院に行きましょう。
しこりの種類
「非腫瘍」と「腫瘍」の2種類に分けられます。
非腫瘍 | 感染症などによる炎症性疾患などがあります。 |
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腫瘍 | 「良性及び近縁疾患」もしくは「悪性(ガン・肉腫)」があります。 |
良性腫瘍と悪性腫瘍の違い
良性腫瘍 | 悪性腫瘍 | |
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発育形態 | 膨張性 | 浸潤性 |
周囲との境界 | 明瞭 | 不明瞭 |
発育速度 | 遅い | 早い |
増殖性 | 弱い | 強い |
再発性 | 弱い | 強い |
転移性 | ない | ある |
しこりを見つけたら確認すること
しこりを見つけたら獣医にスムーズに説明ができるように以下のことをメモしましょう。
- しこりを見つけたのはいつごろか?
- しこりの数はいくつか?
- 痛みや痒みはないか?
- 他の症状は出ていないか?
注意
しつこく触ってしまうと症状が悪化してしまう可能性があるので気を付けましょう。
しこりの予防法
しこりを予防することはとてもむつかしいです。ですが、日ごろからわんちゃん・ねこちゃんとスキンシップを取ることでいち早くしこりに気付き、早期発見・早期治療をすることができます。
- 日ごろからスキンシップを取り、全身を触らせてくれるようにしておきましょう。
- 首⇒肩⇒背中⇒胸⇒お腹と順番にゆっくりと触れる範囲を広げていきましょう。
- スキンシップだけでなく、元気や食欲、トイレなどわんちゃん・ねこちゃんの変化に気付けるように日ごろから意識して過ごしましょう。
当院でのしこりの検査方法
針生検 | 細い注射の針でしこりの中の細胞を検査します。わんちゃん・ねこちゃんに負担をかけることなく検査ができます。 |
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パンチ生検 | 生検トレパンという特殊な器具を使用して、局部麻酔をしたうえで、しこりの一部もしくはすべてを切除して検査をします。 |
切除生検 | 全身麻酔をしたうえで、しこりをすべて切除し、検査をします。切除する範囲は、しこりの周辺、もしくは悪性が疑われる場合、周囲2〜3センチ程広く切除をします。 |
腫瘍外来 担当獣医師
原 寛 先生
日本獣医ガン研究会獣医腫瘍科認定医
経歴
- 平成7年 麻布大学獣医学科を卒業
- 平成13年〜20年 麻布大学獣医学部附属動物病院 腫瘍科所属
- 現在全国の動物病院において腫瘍専門医として活躍中
わずかな血液で「がん」の検出ができる!?新しい検査を導入しました
今回は新しく取り組んでいる「がん」検査についてのお知らせです♪
わずかな血液で「がん」を検出できるキットを導入いたしました!
採血のみで検査が可能なのでワンちゃんの体に負担をかけることなく検出することができます。
<検出できる「がん」はなんと12種類!!>
- 口腔内メラノーマ
- 肝臓がん
- 膀胱がん(尿路上皮がん)
- 悪性リンパ腫
- 肥満細胞腫
- 血管肉腫
- 骨肉腫
- 扁平上皮がん
- 肺腺がん
- 鼻腔腺がん
- 肛門嚢腺がん
- 乳がん
採血のみでこんなにも検出可能だなんて驚きですね。
早期発見によって早期治療が可能となります。